新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセS

第1部 婚約に至る道

第4話補完 アンラッキーデー


 その夜、アスカは先程までのことを思い出していた。
(全く、参ったわね。シンジに裸を見られるなんて。
あいつが悪いんじゃないから、怒ることも出来ないし。最悪ね。
今日は、アンラッキーデーってとこかしら。)
アスカは、利き腕がうまく動かないため、体を洗うのに時間がかかり、体が冷えてしまったのだ。
そこで、冷えた体を暖めようと思って、長風呂にしたのだが、今度はのぼせてしまったのだ。
そう、決してシンジを誘うためではなかったのだ。

(シンジはアタシの裸を見て幸せよね。
その割には、あまり喜んでいるようには見えなかったけど。
アイツ、少しおかしいのかしら。
それとも、優しいからかなあ。
それともお子様なのかしら。
でも、アタシって変わったわね。
以前なら、アイツのこと優しいなんて思わなかったのに。
何でかなあ。)
アスカは自分の変化に気付き始めていた。

(アイツったら、アタシが笑ったら、ニコニコしてたわね。
アタシが怒ると、引きつった笑いをするくせに、あんないい笑顔も出来るんだ。
考えてみたら、アタシはアイツに嫌な事をみんなやらせてたわよね。
掃除に洗濯、料理に炊事。
それに買い物に付き合わせたり引き回したり。
アイツ何で嫌がらないんだろう。
アタシの事好きなのかな。
それとも、家族だと思っているからかな。
どっちなんだろう。
気になるけど、本人には聞きづらいな。
確率的には五分五分かな。
でも、アタシもアイツのことどう思っているのか、良く分からないから、アイツも同じかもね。)
アスカはシンジのことを異性として意識し始めていた。

(今日は、少し優しくしたつもりだけど、わかってくれたかな。
以前だったら、ありがととか、ごめんねとか言わなかったもんね。
やっぱり、もうちょっと優しくしてあげようかな。
あんな笑顔がこれからも見れるといいな。
そうだ。明日からは、シンジがいいことしたら、お礼を言おう。
アタシが悪いことしたら、ちゃんと謝ろう。
それだけでも結構違うわよね。
えっと、でも、それって、良く考えたら当たり前のことじゃないの。
何でアタシったらそんなことも出来なかったんだろう。
はぁ〜、自己嫌悪。アタシって、性格悪いのかしら。
そう言えば鈴原の奴がアタシのこと性格ブスとか言ってたわよね。
かなり当たっているじゃない。
まあいいわ。過ぎたことをとやかく言ってもしょうがないし。
前進あるのみ。
そうじゃなきゃ、アタシじゃないわ。)

アスカはそんなことを考えながら、ゆっくりと眠りに着いた。


次話に続く


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