新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセS

第1部 婚約に至る道

第5話補完 アスカの悪夢


時は少し遡る。


***


「あれ、ここはどこ。」

アスカは、暗闇の中で、一人立ちすくんでいた。

「何故、アタシはこんなところにいるの。」

しかし、誰も答えない。

「ここはどこ、アタシは何でこんな所にいるの。」

やはり、誰も答えない。

「ここはどこ、誰かいないの。ねえ、誰かいるなら出てきてよ〜。」

しかし、誰も答える者はいない。

「カツン、カツン。」

遠くから、誰かが歩いて来る音がした。

「あなたは誰?ここはどこなの。」

近づいてくる者は、頭からフ−ドを被っていて、顔は見えない。

「あなたは誰?ここはどこなの。ねえ、答えてよ。」

しかし、答えは返って来ない。

「ねえ、いじわるしないで。誰なの。お願いだから、答えて。」

しかし、一向に答えは返って来ない。

足音は段々と近づいてくる。アスカは何故か恐怖を覚えた。

「ねえ、あなたは誰?いじわるしないで、答えてよ。」

すると、足音はやっと止まった。
そして、その者はフ−ドを取った。
それは、白い顔をした量産型のEvaだった。
彼はニヤッと不気味に笑った。

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!」

アスカは逃げた。必死に逃げた。
すると、後ろからアスカを追いかける足音が聞こえる。

「来ないで!来ないで!来ないで!来ないで!来ないで!」

アスカは半狂乱になって叫んだ。
先の戦闘のトラウマが残っているのか、アスカの戦意は失われている。

「いやあああああああああああああああああああああああああああ!」

アスカは逃げた。必死に逃げた。
しかし、奴は追ってくる。

「誰か助けて!」

必死に叫ぶが、助けは来ない。
しかも、足音はどんどん近づいてくる。

「助けて!誰かあああああああああああああああああああああああ!」

アスカは必死に叫ぶが、誰も助けに来ない。

「加持さん、助けて!」

アスカは必死に叫ぶが、助けに来ない。

「ミサト、助けて!」

アスカは必死に叫ぶが、助けに来ない。

「リツコ、助けて!」

アスカは必死に叫ぶが、助けに来ない。

アスカは次第に奴が近づいてくるのを感じていた。

足音はさらに近づいてくる。

「来ないで!」

アスカは必死になって叫ぶが、足音はどんどん近づいてくる。

とうとう、アスカは奴に追いつかれ、引きずり倒された。彼は、不気味に笑う。

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!」

アスカは半狂乱になって叫ぶが、腰が抜けたのか、動けない。

奴は、手にロンギヌスの槍を持っていた。
そして、槍を掲げて、今にもアスカを貫こうとする。

「誰か助けて!誰か!誰か!誰か!」
その時、急にアスカの脳裏に気弱そうな少年の顔が浮かぶ。

アスカの目から涙がこぼれ落ちる。
だが、ロンギヌスの槍は、構わずアスカめがけて振り下ろされる。
しかし、間一髪、アスカの心からの叫びが間に合った。

「シンジ!」

アスカが叫ぶと同時に、白いEvaは動きを止め、ゆっくりと崩れ落ちる。
その後ろから現れたのは…。

「シンジ!」

アスカはシンジに抱きつく。

「シンジ!シンジ!シンジ!シンジ!シンジ!」

アスカは、シンジを強く抱きしめた。


***


そこで、アスカの目が覚めた。


次話に続く


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