新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセS 第1部 婚約に至る道 第12話補完 アクセス ゲンドウは、諜報部に連絡を取っていた。 「そうか…。分かった…。」 ゲンドウは、諜報部との連絡が終わると冬月に向かって首を振った。 「そうか、駄目だったか。」 冬月は肩を落とす。 「マヤ君の言うことが正しいようだな、碇よ。」 ゲンドウも冬月の問いかけに対して頷く。 「しかし、アスカ君がこれほどとは思わなかったな。」 ゲンドウは、今度は答えない。 だが、冬月は続けて話す。 「MAGIを使っているのは間違いないと思われるのに、どうやって使っているのか全く分からないとは。 アスカ君は手品でも使っているのか。」 ゲンドウは、諜報部を使ってアスカがどうやってMAGIにアクセスしているのか調べたが、結果は出なかった。 アスカの家の回線からデータのやり取りがあるのは確認できたが、 一体どこに繋がっているのかが、全く解明できないのだ。 しかも、MAGIの方も不正にアクセスされた形跡はない。 MAGIのコピーも同様にアクセスされた形跡はなかった。 そうなると、アスカがMAGIを使わずに処理をしているか、 誰にも分からない方法でアクセスしているか、どちらかになる。 ゲンドウは後者だと睨んで調査したが、全然解明出来なかった。 そこで、アスカの家の回線を直接調べるという方法を取ったのだが、それでも駄目だったのだ。 普通は、アクセス先からアクセス元をたどるので、経路を探すのが非常に困難になるのだが、 今回は、アクセス先もアクセス元も両方分かっているのに、経路が分からないのだ。 しかも、MAGIにアクセスした形跡を消すことは、リツコでも難しいことだった。 もちろん、内部から行うのならばリツコ以外でも出来ないことはないが、 外部からとなるとリツコでも出来るかどうか、怪しいものだった。 もちろん、マヤでは不可能だ。 だから、この一点だけを見てもマヤよりもアスカの方が、MAGIの扱いに長けていると考えられるのだ。 「仕方ない。アスカ君を呼んで、直接聞くしかなさそうだな。」 冬月が呟くと、ゲンドウも頷いた。 次話に続く ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― written by red-x