新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセS

第1部 婚約に至る道

第17話補完 スパイ疑惑


シンジとアスカが部屋を出た後、冬月はゲンドウに尋ねた。

「アスカ君は、本当にスパイなのかね。」

これに対し、ゲンドウは少し間を置いて答えた。

「…今の所は、五分五分だ。」

「ならば、シンジ君にあのような言い方をしない方が良かったのではないかね。」

いぶかる冬月に、ゲンドウはこう言い切った。

「いや、あれで良い。」

「ほう、何故かね。」

「今のアスカ君は、ネルフの生命線を握っている。
今はスパイでなくとも、いずれそうなる可能性がある。
だから、シンジにアスカ君をしっかり監視してもらわないとな。」

ゲンドウはそう言うと、ニヤリと笑った。

冬月は、その一言で全てが分かった。
今のアスカは、チルドレンであるシンジを思いのままに動かせるうえに、
もう一人のチルドレンであるトウジも、ヒカリを通じて動かすことが出来る。
MAGIも思いのままに操ることが出来、そのうえ、
ミサト、マヤ、マコト、シゲルなどのネルフ幹部の皆と仲が良い。
今のアスカが他の組織の言うなりになったら、それだけでネルフ崩壊の危機である。
しかも、冬月は知らなかったが、アスカはリツコとも仲が良いのだ。

「アスカ君に頼りすぎということか。」

冬月は、深くため息をついた。

「碇よ、ならばどうする。」

冬月が尋ねたが、ゲンドウは苦々しい口調で答えた。

「全ては、シンジ次第だ。」


次話に続く                
 
 
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あとがき


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