新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセS

第2部 ゼーレとの戦い

第35話補完 見舞い



「具合はどうだ、ハウレーン。」

「まだ、傷が痛む。」

「そうか…。ゆっくり休んで、早く直すんだ。」

「父さん、すまない…。私がふがいないばかりに。」

「良いんだ。お前は、『逃げる時は、常に最後尾に付け。』という言い付けを守った。
立派だったぞ。」

「だが、負けてしまった。一体、何人の部下を死なせてしまったことか。」

「不幸中の幸いだが、惣流アスカ君のお蔭で、我々の部隊に死者は出なかった。」

「父さん、本当か?」

「ああ、そうだとも。そして、お前を助けてくれたのが、碇シンジ君だ。」

「彼が…。」

「ああ、そうだ。その彼に頼まれて、カヲル君という子供を許すことにした。
ハウレーン、お前が戦った部隊の指揮官だが、洗脳されていたらしい。
碇シンジ君の友人だそうだ。もちろん、異論は無いな。」

「ああ、彼の頼みなら、しょうがない。何と言っても、妹の命の恩人だからな。」

そう、ハウレーンの妹は、シンジによって、命を救われたのだ。
妹は、病に倒れ、余命いくばくも無い状態だったのだ。
だが、その時起こったサードインパクトによって、病気は完治したのだ。
妹は、優しい顔をした男の子の顔を見たと言い、後にそれがシンジであることが分かったのだ。

それがハウレーン親子、ひいてはヴァンテアンがネルフに味方した理由なのだ。

「では、また来るぞ。早く良くなれよ。」

「ああ、分かっている。」

ハウレーンは父が病室を出た後、静かに頭を下げた。




次話に続く                
 
 
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