新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセS

第2部 ゼーレとの戦い

第37話 引っ越し…そして婚約解消


「おはよう、カヲル君!」

シンジは、大きな声でカヲルを呼んだ。 

「やあ、シンジ君。おはよう。」

カヲルも笑顔で返事を返す。
待ちに待ったカヲルとマコトの引っ越しの日がやって来たのだ。
シンジはとても嬉しそうな顔をしていた。

「さあ、ボケッとしてないで、始めるわよっ!」

何故か仕切ることになったアスカの号令で、皆が動き出した。


結局マコトとカヲルの家は、ミサトの家の2つ隣になったのだが、
そこには色々な怪しげな機械装置が取り付けられていた。
もちろん、カヲルに気付かれないようにである。
その準備に時間が必要であったため、引っ越し決定から引っ越しまで、
少し時間が開いたのである。

さて、今日の引っ越しの布陣であるが、
加持が車を出してマコトとトウジと共にマコトの家から荷物を運び出す役である。

シンジ、ケンスケ、カヲルの3人は、
新しく買った冷蔵庫、テレビ、ビデオなどの電気機器の設置を担当する。
これにミサトとリツコも加わる。

アスカとヒカリとユキの3人は、ミサトの家で昼御飯と歓迎会の準備である。
といっても、アスカはしょっちゅう抜け出して、号令役をしている。
もちろん、冷たい麦茶も忘れない。

「おおい、着いたぞ。」

そうこうしている内に加持の声がした。
それを聞いて、シンジ達はエレベータに向かった。
下で荷物を乗せ、上で受け取るのだ。エレベータが何回か往復した後、加持達が上に上がって来る。
こうなると引っ越しも終盤である。

「はい、そのダンボールはそこに置いて。それはこっちよ。」

マコトの荷物が入ったダンボールには、行き先を記した大きなシールを貼って、
どの部屋に置くのか、予め分かるようにしてある。
その行き先の部屋にはアスカとミサトとリツコが居て、
次々にやって来るダンボールの置き場所を指示するのだ。
もちろん、マコトとは打ち合わせ済みである。

動き回っているのは、もちろん男性陣となる。
だが、所詮は独り暮らしのマコトのこと、大した荷物が無いため、
大勢で運ぶとさほど時間がかからずに運び終えてしまう。

「よ〜し、一休みするか。」

加持の一声を待ちわびたかのように、一斉に男性陣は作業を止める。
後はマコトのプライベートな物がダンボール3箱分だけが残っているだけだ。

「みんな、おつかれさま〜。まずは冷たい麦茶を召し上がれ。」

アスカが麦茶の入った紙コップを皆に配る。

「はあ〜。今日はこんなに早く終わるとは思わんかったわ。おお、惣流サンキュ。」

「アスカ、ありがとう。」

「惣流さん、ありがとう。」

「惣流、サンキュ。」

まあ、分かると思うが、トウジ、シンジ、カヲル、ケンスケである。
無論、加持にはミサトが、マコトにはあぶれたリツコが麦茶を渡している。

「さあ、一息ついたから、お昼ご飯にしましょう。
それから直ぐに、日向さんと渚の歓迎会を始めるわよ。良いわねっ!」

アスカの号令に従って、皆動き始めた。

***

「ははっ。凄いごちそうだね。」

山盛りとなった数々の料理を見て、ちょっとだけマコトの頬が引きつる。

「嬉しいね。洞木さん、森川さん、感謝するよ。」

ニコリと笑うカヲルに、ケンスケが少し警戒感を顔に出した。

「みんな〜、揃ったわねえ〜。最初は、大人はビール、アタシ達はジュースで乾杯よっ!
日向さんと、渚君の引っ越しを歓迎して、かんぱ〜い!」

「かんぱ〜い!」
「かんぱ〜い!」
「かんぱ〜い!」
「かんぱ〜い!」
「かんぱ〜い!」
「かんぱ〜い!」
「かんぱ〜い!」
「かんぱ〜い!」
「かんぱ〜い!」
「かんぱ〜い!」

こうして、昼食兼歓迎会が始まった。

***

「こんにちわ〜っ。」
「おじゃましま〜す。」

歓迎会が始まって1時間ほど経った頃、ガヤガヤとした一団がやって来た。
マリア、ミリア、キャシー、ア−ルコ−ト、アリオスにマックスの転校生グループである。

「どうぞ、いらっしゃい。良く来てくれたわね。」

アスカが笑顔で迎える。

「じゃあ、女の子は渚を囲んでね。今日の主賓なんだから。」

アスカの指図によって、それまでカヲルと仲良く話していたシンジやユキがその場を離れる。
そうして、カヲルの左右にマリアとキャシーが座り、正面にアールコート、その右にミリアが座る。
その横にマックス、キャシーの隣にアリオスが座る。

こうして新たなメンバーを迎えて、カヲルの歓迎会は盛り上がっていくのだった。
ちなみに、ユキはヒカリ、トウジ、ケンスケのグループに混ざっていく。
その瞬間にケンスケは笑顔をみせたが、シンジは気付かなかった。


「シンジ、ちょっとこっちに来てよ。」

アスカはシンジの腕を引いて、ミサトの部屋に向かった。
そこにはいつの間にか移動していた大人達が酒盛りをしていた。
一体なんだろうと、シンジは不思議に思った。

「おっまたせ〜。これからはお仕事の時間よ。いいわね、シンジ。」

「う、うん。」

「さ〜て。何から始めようか。」

アスカは、今後の計画について、静かに話し始めた。
敵の再侵攻が1月以内に行われる見込みであること、大規模な侵攻が行われる可能性が高いこと、
そのため、エヴァ全機の稼働が望ましいこと。それらのことをかいつまんで話していった。


「分かったよ。カヲル君をエヴァに乗せたいんだね。」

シンジはアスカの話が終わると呟いた。さすがに鈍いシンジでも、それ位のことは分かる。

「正確に言うと、この家にいる転校生達もエヴァのパイロット候補生なの。」

「ええっ。」

シンジは驚いた。無理も無い。今日初めて話を聞いたのだから。

「シンジはどう思う。賛成?それとも反対?」

その問いにシンジは考え込んだが、しばらくして問いかけてきた。

「僕が反対するとどうなるの。」

「アタシがエヴァに乗るわ。」

「えっ、アスカは乗ることが出来るの?」

「ええ、命と引き換えにね。」

(えっ。アスカが死ぬ。そ、そんなことって…。)

それを聞いた瞬間、シンジの表情が凍りついた。
アスカの真剣な表情から、嘘ではないと感じたからだ。

「そうか…。なら、僕は反対出来ない。それどころか…。
も、もしかして、僕にカヲル君を説得しろって言うんじゃ。」

シンジは呆然とした。

「そ、そんな…。う、嘘だよね。ねえ、アスカ、何か言ってよ。」

「それじゃあ言うわ。アタシはエヴァに乗りたくない。死にたくないから。
でも、アタシが乗ることでしか皆の命が助からないなら、ためらわずに乗るわ。」

「そ、そんな…。」

「シンジが何をすべきか、それはシンジが考えて。
渚を説得出来るのは、シンジしかいないと思う。
でも、シンジが嫌と言うなら、アタシが説得するわ。」

「僕が頑張るだけじゃあ、駄目なのか…。」

シンジは俯いて、拳を握りしめた。

「ええ、そうよ。それに、もし渚が…。」

「アスカっ!それ以上は言わなくて良いよっ!」

シンジは急に顔を上げた。アスカが何を言おうとしたのか、何となく分かったからだ。
もしかしたら、見当違いかもしれないが、それでもその先にアスカが何を言うのか怖くて遮ってしまった。

「僕が言うよ…。僕はやっと分かったよ。
ミサトさんがどんな気持ちで僕達にエヴァに乗るように頼んだのか。
そうだよね。そう言わなくちゃ、皆死んじゃうかもしれないんだよね。言うしかないんだよね。」

シンジは、とても嫌な気持ちになった。
あのエヴァに乗ってくれだなんて、本当は言いたくない。
でも、そうしないと失われる命があるなら、頼んでみるしかない。
シンジは、以前少しだけ顔をゆがめた表情で、ミサトがエヴァに乗るように頼んだことが思い出された。
おそらく、その時のミサトは、とても嫌な思いをしていたのだろう。

「シンジ…。」
アスカが呟く。そう、シンジは誓ったのだ。
この命よりも大切な少女のためなら何でもすると。
シンジの心は既に決まっていた。

「分かったよ。僕がカヲル君に頼んでみる。
アスカのためなら、土下座してでも頼んでみるよ。
僕にはそれ位しか出来ないから。」

「それに、他にも話しがあるのよ。日向さん、良い?」

「ああ。シンジ君には辛い思いをさせてすまない。
うまくいくと9機のエヴァが稼働するが、烏合の衆になってはしょうがない。
だから、3機ずつの隊を3つ作ろうと思う。
その3隊の隊長になって欲しいんだ。」

「な、何故ですか。」

「今度の敵は、一体じゃない。
だから、こちらの体制も組織だったものにする必要があるんだ。
僕の考えでは、シンジ隊、トウジ隊、カヲル隊の3隊を束ねる役目をシンジ君に頼みたいんだ。」

「ぼ、僕みたいな素人に、そんなこと出来るんでしょうか。」
シンジは不安になった。

「アタシなら出来るけど。代わって欲しい?」
アスカがすかさず答える。

「だ、駄目だ。」

「じゃあ、良いのね。」

「う、うん。」
シンジは渋々了解するしかなかった。この少女をエヴァに乗せる訳にはいかないのだから。

「という訳で、現場の隊長はシンジに決まりね。
アタシはミサトの代わりにエヴァ軍団を指揮するわ。それは良いわね。」

「そうだね。アスカなら文句は無いよ。」

「で、ちょっと問題があるのよ。何か分かる?」

「ううん。分からないけど。」

そこでようやくミサトが口を出した。

「指揮官は、常に公平でなくてなはらないのよ、シンちゃん。
だから、アスカとの個人的なつながりはマイナスになるの。」

「ええっ。な、何でなの。」

「指揮官は、最悪部下に死地に向かえと言わなくてはならないの。
だから、部下との信頼関係が必要になるのよ。
そうねえ、例えばアスカが渚君と婚約していたとすると、あなたはアスカの指揮を信じられるかしら。
渚君をひいきして安全な所に置いて、自分は危険な所に送り込むんじゃないかって疑わないかしら。」

「そ、そんなこと…。」

「絶対に無いって言えるかしら。」

「そ、それは…。」

シンジはカヲルとアスカが仲良くしている場面を想像してしまった。嫌だ、絶対に嫌だ。
そんなことになったら、自分はおそらくエヴァに乗ることすら出来なくなるかもしれない、
そう思ってしまった。

「今、否定するのをためらったわね。でも、しょうがないのよ。
人間は疑い深い生き物だから、小さなきっかけで疑念を抱くようになるわ。
そして、それはどんどん大きくなるの。
そういう事態を招くから、特定の部下と仲が良い人は、指揮官失格なの。
それはシンちゃんも分かるわよね。」

「え、ええ。」

「他の部下は、そんな人には、従わないのは当然なのよ。
優秀な兵士ほどそうなるのよ。
だってそうでしょう。仲の良い部下をひいきするかもしれないって、普通は思うわよね。
そして、いくら頑張っても評価されない、自分の方が危険な目に遭わされるかもしれないと思ったら、
指揮官の言うことなんか馬鹿馬鹿しくて聞かないわよね。
それどころか、あえて命令と違う行動をとるかもしれないわ。
愚かな指揮官でなければ、それで過ちに気付いて改めるけどね。
出来れば最初からそんな疑念を抱かれないのがベストなの。」

「そ、それってどういうことなんですか。」

シンジは涙目になっていた。シンジも中学生だから、ミサトの言わんとするところは分かる。
これは命を賭けた戦争になるのだ。
だから、生半可な気持ちで戦ったら死ぬことになるかもしれない。
そこまでは理解していた。

だが、シンジは皆の前でべたべたしなければ良いだろう程度にしか思っていなかったのだ。
大人だったら許されない甘い考えだが、中学生であることや人見知りをするシンジの性格を考えたら、
止むを得ないだろう。そのシンジにトドメとも言える一言が突き刺さった。

「婚約解消っていうことだよ、シンジ君。」

加持は静かに言った。

(そ、そんなあ。せっかくアスカと婚約出来たのに。それを解消するなんて…。)

シンジは呆然としてへなへなと座り込んだ。かなり強いショックだったのだ。

シンジの様子を見たアスカはミサトに目配せした。
ミサトも頷き、シンジに優しく話しかけようとしたが、
加持が手をかざしてそれを押し止め、ゆっくりと口を開いた。

「シンジ君が辛いのは良く分かる。
でも、人の上に立つためには、その辛さを克服しなければならないんだ。」

「で、でも、そこまでしなくてもいいじゃないですか。」

「そうだな、皆の心が一つに繋がっていて、
小さな疑念すら生じないほどの信頼関係があれば、その通りかもしれない。
でも、今はそうじゃないだろう。
だから、強い信頼関係を作らなければならないんだ。
そのためには、アスカは指揮官として、けじめを付けなければならない。
婚約を解消してでも部下達との信頼関係を深めたいという姿勢をみせる必要があるんだよ。」

「そ、そんなこと、分からないですよ。」

「良いか、シンジ君。エヴァに乗る以上は、常に死と隣り合わせだって事は分かるな。
だから、戦うのは誰でも怖い。
そんな時、信頼出来る人の言葉を聞けば、僅かといえども、勇気が出るんじゃないか。
シンジ君にとって、葛城がそうだったんじゃないかと思う。
もし、シンジ君が葛城のことを信頼していなかったら、
シンジ君は安心して戦えなかっただろう。違うか。」

「ええ、加持さんの言う通りだと思います。
僕は、ずぼらだけど優しいミサトさんのことが好きでした。
ミサトさんに頑張ってと言われると、何となく頑張れるような気になったのも確かです。」

「じゃあ、俺がシンジ君と同じエヴァのパイロットで、
葛城の婚約者か恋人だったら、どうだったと思う。同じように戦えるか。」

「そ、それは…。」

シンジは唇を噛みしめた。

「それは無理だな。もし頑張って戦っても、
葛城が自分の方を見ないことが分かってしまうからな。
おそらく葛城は、皆に公平に接するだろうう。
だが、俺以外の者は絶対にそうは思わない。
それが人間の心理っていうものさ。」

「で、でも…。」

「シンジ君。人の上に立つ以上、甘えは許されない。
常に公平でなければいけないし、それを疑われるようなこともしてはいけないんだ。
身近に良い例がいるだろう。碇司令だ。」

「と、父さんがですか。」

「碇司令が、シンジ君に必要以上に冷たく当たったのは、組織の頂点に立つ人間だからだ。
もし、司令がシンジ君に優しくしていたらどうなると思う。
おそらく、レイちゃんやアスカは口では何も言わなくても、ひいきされていると思っただろう。
そして、その疑念が邪魔をして、全力で戦うことなど出来なかっただろう。
絶対そうとは言い切れないが、そうなる可能性は高かったはずだ。」

「父さん…。」

(本当にそうなのかな。僕には分からないや。)

「それだけじゃない。他の職員にも示しがつかないし、尊敬もされない。
何だかんだ言っても、碇司令が公平な人だから、ネルフはうまく機能している。
酷な言い方になるが、碇司令は、シンジ君とアスカのどちらかが必ず死ぬと分かったとしたら、
必ずアスカの方を先に助けるだろう。それが組織の長というものなんだ。
そういう人でなければ、誰も信頼しないし、付いていかない。
シンジ君を助けてアスカを見捨てるような人なら、
俺は付いていかないし、心ある大人は去っていくだろう。
自分の子供を見捨てるのには、我が身を裂く程の覚悟と強い信念が必要だが、
他人の子供を見捨てるのには、ちっぽけな悪意があれば事足りるからだ。」

「つまり、アスカは、他人に対して僕を捨てる位の覚悟を示す必要がある、
そういうことなんですね。でも、そんなのって、そんなのって…。」

(そんなのってないよ。僕が一体何をしたっていうんだよ。)

シンジは次第に涙声になった。それを見た加持は、ミサトに目を向けた。
その合図を受けて、ミサトが話しだした。

「でもね、シンジ君。それは一時的なものなの。
この家から一歩外に出たらっていうことだと理解してくれてもいいわ。
これはけじめみたいなものだから、皆の前では最低限公平な態度を取れば良いのよ。
もちろん、本当に縁を切る方が良いのだけれど、そうはいかないでしょう。」

(えっ。)

シンジはその言葉に光を見た。

「じ、じゃあ、戦いが終わったら元通りになるんですか。」

シンジの目に、僅かに希望の光が灯った。それにはアスカが応えた。

「家の外では赤の他人。シンジにはこれからは必要以上に冷淡にするわ。
立場上、シンジに一番辛く当たることになるわ。
他人が『何もそこまでしなくても。』って思う位にやらないと駄目なのよ。
それ位しないと、アタシは皆に信頼されないわ。
でも、その代わり、家の中では外で冷たくする分、優しくしてあげるわ。
戦いが終わったら、もちろん元通りよ。それじゃ駄目かしら?」

「えっ。もっと優しくしてくれるの。」

「家の中だけだけどね。
それに、家の外では冷たくするといっても、心は強くつながっているって思ってね。」

その言葉には、大人達も驚いた。シンジのことが好きっていうことと同じことだからだ。

アスカは大人達の反応から、自分の失言に気がつき、真っ赤になった。
だが、それに気付かないまま、シンジは言った。

「分かったよ、アスカ。僕はアスカに相応しい男になるって決めたから。
これもアスカの心を掴むための試練だと思えば、耐えられる。いや、耐えてみせる。」

(そうだ。ここでくじけちゃいけないんだ。
アスカはもっと、もっと苦しい目に遭って、耐えて来たんだ。
これくらい乗り越えなくちゃ、アスカに相応しい男になんかなれやしないんだ。)

シンジは、強い決意を持って、きっぱりと言った。


こうして、翌日に二人の婚約解消が発表された。



次話に続く
 
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キャラ設定:渚 カヲル

エヴァンゲリオン操縦者。フィフスチルドレン。しかし、その実体は、第17使徒タブリス。
最後の使徒。シンジのことを気に入り、シンジを生かすため、あえてシンジの手にかかる。
エヴァンゲリオン新四号機専属操縦者になる予定。


あとがき

 戦いに勝つため、心を鬼にして戦う決意をするアスカ。そのために、シンジとの婚約を
解消することを決意したのです。それに対して、強い決意をもって応えたシンジですが、
果たしてどうなることでしょうか。
 
written by red-x
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